昼過ぎにジャグラーの島を歩くと、REGが付いていて合算も良い台が何台かある。「この島、今日は入ってるな」と思って空き台に座る。でも夕方になると、結局どの台も伸びきらない。そんな経験はないだろうか。
その島は、全台設定3だったのかもしれない。
設定3は機械割がほぼ100%。店からすると「ほとんど儲からないけど、ほとんど損もしない」設定だ。それなのに、島全体を設定3にすると、昼過ぎの時点で高設定っぽい台が自然にいくつも出てくる。この記事では、マイジャグとネオアイムの島を何万回もシミュレーションして、その仕組みを数字で確かめた。
先に結論を書いておく。
- マイジャグ20台を全3にすると、昼過ぎ(平均2,500G)には平均4.1台が「設定4以上の見た目」になる。 実際に4・5・6を1台ずつ入れて残りを設定1にした島(3.0台)より多い。
- 全3の島では、昼過ぎに半分近い台(48%)がプラス。 全1の島(37%)より客が負けにくく、稼働が落ちにくい。
- 設置台数が多いほど、全3だけで「看板台」が勝手に生まれる。 40台の全3なら、89%の確率で「設定6の見た目」の台が1台以上出る。
- ネオアイムは全3との相性が特に良い。 20台の全3で、平均2.5台が「5・6の見た目」になる。しかも店の粗利はマイジャグより残る。
- 打ち手から見ると、全3の島は期待値がほぼゼロ。 見抜くポイントは、島全体の合算と、夕方以降の伸び方だ。
設定3は「ほぼトントン」の設定
まずはスペックを確認しておく(一撃の各機種ページ掲載値)。
| BIG | REG | 合算 | 機械割 | |
|---|---|---|---|---|
| マイジャグ 設定1 | 1/273.1 | 1/409.6 | 1/163.8 | 97.0% |
| マイジャグ 設定3 | 1/266.4 | 1/336.1 | 1/148.6 | 99.9% |
| マイジャグ 設定4 | 1/254.0 | 1/290.0 | 1/135.4 | 102.8% |
| ネオアイム 設定1 | 1/273.1 | 1/439.8 | 1/168.5 | 97.0% |
| ネオアイム 設定3 | 1/269.7 | 1/331.0 | 1/148.6 | 99.5% |
| ネオアイム 設定4 | 1/259.0 | 1/315.1 | 1/142.2 | 101.1% |
1台を1日8,000G回したときの店の粗利(メダル)で比べると、こうなる。
| 設定 | マイジャグ | ネオアイム |
|---|---|---|
| 設定1 | +720枚 | +720枚 |
| 設定3 | +24枚 | +120枚 |
| 設定4 | −672枚 | −264枚 |
| 設定6 | −2,256枚 | −1,320枚 |
マイジャグの設定3は、1日回してもほぼプラマイゼロ。ネオアイムの設定3は、まだ店に少し残る。この「店がほとんど損をしない」設定が、確率のブレで高設定のように見える。そこがポイントだ。
シミュレーションの条件
島の台をすべてパソコン上で再現して、昼過ぎ(14時ごろ)の状態を何万回も作った。
- 各台の回転数:平均2,500G(ばらつきあり、800〜4,500G)
- BIGとREGの回数:各設定の確率から、ポアソン分布で発生させた
- 差枚:BIG約240枚(ネオアイムは約252枚)、REG約96枚で計算。通常時の出入りは機械割と合うように調整し、小役のブレも入れた
- 試行回数:各ケース2万回
「見た目」の判定は、データカウンターを見た打ち手の目線で、次のように決めた。
- 設定4以上の見た目:REG確率と合算の両方が、設定4の数値以上(マイジャグならREG1/290・合算1/135.4以上、ネオアイムならREG1/315.1・合算1/142.2以上)
- 設定6の見た目:REG確率と合算の両方が、設定6の数値以上(マイジャグならREG1/229.1・合算1/114.6以上。ネオアイムは5と6がほぼ同じなので「5・6の見た目」として、REG1/255.0・合算1/127.5以上)
昼過ぎの島はこう見える(マイジャグ20台)
マイジャグ20台の島で、設定の入れ方を変えたときの昼過ぎの姿だ。
| 設定の入れ方 | 4以上の見た目 | 6の見た目 | 6の見た目が1台以上出る確率 | プラスの台の割合 | 島の合算 | 店の1日の粗利(島全体) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 全1 | 1.8台 | 0.3台 | 28% | 37% | 1/163.8 | +14,400枚 |
| 1と3を半々 | 3.0台 | 0.7台 | 51% | 43% | 1/155.9 | +7,440枚 |
| 4・5・6を各1台+残り設定1 | 3.0台 | 0.9台 | 65% | 42% | 1/156.5 | +8,040枚 |
| 全3 | 4.1台 | 1.1台 | 67% | 48% | 1/148.6 | +480枚 |
| 全3+6を1台 | 4.5台 | 1.4台 | 77% | 49% | 1/146.6 | −1,800枚 |
| 全3+5を2割(4台) | 5.1台 | 1.6台 | 82% | 52% | 1/143.6 | −4,704枚 |
※店の粗利は、全台が1日8,000G回った場合の期待値。
全3は、本物の高設定を3台入れた島より「入っているように見える」。 「4・5・6を各1台+残り設定1」の島は、店の粗利が+8,040枚残る代わりに、設定1の17台が客を削る。昼過ぎにプラスの台は42%しかなく、「4以上の見た目」も3.0台にとどまる。全3なら粗利はほぼゼロになるが、4以上の見た目は4.1台、プラスの台は48%になる。
全3は「薄く広く」還元する設定配分だ。 一部の台だけが大きく出るのではなく、島全体で負ける客が少なくなる。昼過ぎに負けている客が少ないほど、客は帰らないし、空き台も埋まりやすい。これが「稼働の確保」の正体だ。
設置台数が多いほど「全3だけで足りる」
全3の島に何台並んでいるかで、見え方はどう変わるか。
マイジャグの全3
| 島の台数 | 4以上の見た目 | 6の見た目 | 6の見た目が1台以上出る確率 | 一番出ている台(中央値) |
|---|---|---|---|---|
| 10台 | 2.1台 | 0.5台 | 42% | +1,232枚・合算1/111・REG1/292 |
| 20台 | 4.1台 | 1.1台 | 67% | +1,536枚・合算1/105・REG1/282 |
| 40台 | 8.2台 | 2.1台 | 89% | +1,808枚・合算1/100・REG1/275 |
台数が増えるほど、確率のブレで「一番出ている台」が上振れする。40台の全3なら、昼過ぎの時点で合算1/100・+1,800枚前後の台がほぼ毎日できる。どの台も設定3なのに、島の看板になる台が勝手に生まれるわけだ。
10台程度の小さい島だと、「6の見た目」が出る確率は42%で、出ない日のほうが多い。小さい島で高設定っぽさを演出したいなら、全3だけでは物足りない。「全3+6を1台」のように、本物を混ぜる必要が出てくる。
台数が多い店ほど、全3という配分が使いやすい。 「設置台数次第では全3でいける」というのは、数字の上でもその通りだ。
ネオアイムは全3と一番相性がいい
同じことをネオアイムでやると、さらに効果が大きい。
| 島の台数 | 4以上の見た目 | 5・6の見た目 | 5・6の見た目が1台以上出る確率 | 一番出ている台(中央値) | 店の1日の粗利(島全体) |
|---|---|---|---|---|---|
| 10台 | 2.9台 | 1.3台 | 74% | +1,254枚・合算1/111・REG1/288 | +1,200枚 |
| 20台 | 5.7台 | 2.5台 | 93% | +1,562枚・合算1/105・REG1/280 | +2,400枚 |
| 40台 | 11.5台 | 5.1台 | 99.6% | +1,857枚・合算1/100・REG1/273 | +4,800枚 |
理由は2つある。
- ネオアイムは、4以上・5・6の数値のハードルが低い。 設定5・6のREGが1/255.0、合算が1/127.5なので、設定3のブレでも届きやすい。
- ネオアイムの設定3は、機械割99.5%で店に少し残る。 20台全3でも1日+2,400枚。マイジャグの全3(+480枚)よりずっと店に優しい。
ジャグラーの店タイプ別の立ち回りの記事で、「ネオアイムは一番設定が入る機種」と書いた。その理由のひとつが、ここにもある。ネオアイムの全3は、店からすると「ほぼ損をせずに、島全体を高設定っぽく見せられる」配分なのだ。
時間がたつと、設定3はどうなるか
全3の島の「高設定っぽい台」は、閉店まで高設定っぽいままなのか。マイジャグで、回転数ごとに「4以上の見た目」になる割合を、設定3・5・6で比べた。
| 1台あたりの回転数 | 設定3 | 設定5 | 設定6 |
|---|---|---|---|
| 1,500G | 23% | 43% | 58% |
| 2,500G(昼過ぎ) | 21% | 45% | 65% |
| 4,000G | 18% | 49% | 72% |
| 6,000G | 16% | 49% | 74% |
| 8,000G(閉店ごろ) | 17% | 49% | 75% |
設定3でも、閉店まで回して17%の台は「4以上の見た目」のまま終わる。一方で、本物の設定5でも半分の台は「4以上の見た目」にならない。
つまり、閉店後のデータを見ても、全3の島には「4以上っぽい台」が20台中3台ほど残る。 翌日にデータサイトを見た打ち手が「この島、昨日は何台か入ってた」と思うのは、自然なことだ。
店にとって全3は「稼働への投資」
ここまでの数字を、店の側から整理する。
等価交換の店:全3はほぼ持ち出し
マイジャグの全3は、全1に比べて1台1日あたり約700枚(等価で約1.4万円)の粗利を手放す。20台なら1日約28万円分だ。店はこのコストで、昼過ぎに半分近くの客が勝っている島と、高設定っぽい台が何台も見える島を買っている。
非等価交換の店:機械割100%でも店に残る
5.6枚交換の店では、1,000円で借りた46枚をそのまま交換しても、約820円にしかならない。機械割がほぼ100%の設定3でも、お金が一度メダルを通るだけで、店に約18%残る計算だ。
非等価の店にとって、設定3は「損をせずに客を長く座らせられる設定」になる。全3が一番使われやすいのは、こういう店だと考えられる。
打ち手は全3をどう見抜くか
全3の島は、等価交換でも期待値はほぼゼロ、非等価ならマイナスだ。昼過ぎの見た目に釣られて座ると、出玉は出ているのに勝ちきれない1日になる。見抜くポイントは次のとおり。
1. 「台」ではなく「島」の合算を見る
全3の島は、島全体の合算が1/148.6前後(マイジャグもネオアイムも同じ)に、REGが1/331〜1/336前後に落ち着く。突き抜けた台がいくつかあっても、島全体の数字が設定3そのものなら、全3を疑う。
2. 突き抜けた台の「突き抜け方」を見る
全3の島の一番台は、昼過ぎで合算1/100〜1/110、REG1/275〜1/290あたりに集まる。REGが1/250より良い台がいる場合は、本物の高設定が混ざっている可能性のほうが高くなる。
3. 「そこそこの台」が多すぎる島は怪しい
本物の高設定が数台だけの島は、出ている台と死んでいる台がはっきり分かれる。全3の島は、マイナスの台もプラスの台も差枚が小さく、全体がなだらかになる。島のプラス台が半分近いのに、大勝ちの台がいない日は、全3の典型的な姿だ。
4. 閉店データの「4以上っぽい台」を過信しない
前の日のデータで「4以上っぽい台」が3台あっても、全3の島なら確率のブレで普通に起きる。REG回数で設定がどこまで分かるかを計算した記事で示したように、REG回数だけで設定3と設定4を見分けるには、1日では足りない。島全体の数字と合わせて判断する。
まとめ
| 設定の入れ方 | 昼過ぎの見え方 | 店のコスト | 打ち手の期待値 |
|---|---|---|---|
| 全1 | 死んでいる | 店は一番儲かる | マイナス |
| 4・5・6を少数+残り設定1 | 出ている台と死んでいる台がはっきり分かれる | 店は十分儲かる | 本物を掴めればプラス |
| 全3 | 島全体が「入っている」ように見える | 等価ではほぼ持ち出し、非等価では残る | ほぼゼロ(非等価ならマイナス) |
| 全3+本物を少数 | 一番派手に見える | 等価では赤字になりやすい | 本物を掴めればプラス |
全3は、店にとっては「ほとんど損をせずに、島を生きているように見せる」配分だ。台数が多い島ほど、本物の高設定を1台も使わずに、看板台が自然に生まれる。
打ち手にとって大事なのは、昼過ぎの「一番出ている台」ではなく、島全体の数字を見ることだ。高設定っぽい台が何台もあるのに、島の合算が1/148.6前後なら、その島で探すべきものは高設定ではないかもしれない。
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数値の出典:ボーナス確率・機械割・獲得枚数は一撃の各機種ページ掲載値(マイジャグラーⅥ、マイジャグラーⅤ、ネオアイムジャグラーEX)。島の見え方、回転数ごとの割合、店の粗利は、掲載値をもとにした当サイトのシミュレーション(各ケース2万回)。実際の店の設定配分を示すものではない。
